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Wednesday, September 08, 2004

病中吟

先日の記事で少し触れた、中国CDが届きました。『壷天路』さんにお願いしていたものです。

今回と次回との2回に分けて、届いたCDについて書きたいと思います。

今回ご紹介するのは『酔弦』という、二胡の2枚組CD。
bowstring.JPG
二胡演奏の古老、張鋭(1920-?/恐らくご健在)と、『現代の阿炳』と呼ばれている(らしい)孫宇嶸の演奏がそれぞれ1枚ずつに収録されています。
うち、張鋭の演奏は、元々『二泉映月 中国第一』という1枚ものだったのですが、長らく入手困難になっていたもの。
随分と頑張って入手を試みてきましたが、どうにもなりませんでした。
壷天路さんから代替策としてご紹介頂くまでは、『酔弦』に組み直されたことには気付かなかったと思います。
お陰様で待望久しい演奏を聴くことが出来ました。多謝です!

収録されているのは、劉天華の作品が10曲、阿炳(華彦鈞)の作品が2曲。
本記事のタイトルは、1トラック目に収録されている劉天華の名曲から。

聴き始めて即座に、『これはいい!』と思いました。
どんな弱音でも弛むことのない音と、人間の息遣いそのものを思わせるヴィブラート。妥当な喩えであるかはちょっとわからないのですが、ヴァイオリニストのオイストラフに一脈通ずるものを感じました。
張鋭の独奏を支えるアンサンブルも、実によく調和しています。

わたくし自身は二胡そのものをたしなむ機会を持ちませんが、おそらく張鋭は、昔ながらの太い絹弦を使っているのではないかと思うのです。
阿炳が死の半年前の1950年に吹き込んだ演奏(これも感動的な名演です! 折を改めて書きたいと思います。)が手許にありますが、表現上の違いはあっても、同根の音色が鳴っています。

太くしなやかで、ほんの少しかすれたような音色。今日一日、幾度ともなく繰り返し聴きましたが、聴く都度に心のより深いところへと届くようです。
よい音楽というものが与えてくれる感動に、ジャンルの隔たりは全く関係ないということを改めて実感しました。

またこうして素晴らしい音楽と出会うことが叶った、本当に嬉しいことです。

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