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Sunday, September 26, 2004

(いつも頭痛に煩わされている)人間の男を安眠させるための小序曲

早いもので、このウェブログを立ち上げてから1ヶ月が経ちました。見切り発車のようなスタートでしたが、思いの外、高いモチベーションが持続しています。

今回は開始以来、ちょうど30本目にあたる記事です。その間連ねた文面は、400字詰め原稿用紙に換算して200枚弱になります。
駆け出しということもあって、些か力みすぎた結果がこの数字として顕れたのかもしれません。逆に今後の行く末が案ぜられるところですが、力の及ぶ限り真摯な更新を継続してゆきたいと思います。

さて、そんな記念すべき日であるにも関わらず、今日は朝からしつこい頭痛に煩わされています。原因は明白、連日の眼精疲労に加えて、昨晩は首を寝違えてしまったのです。
灸をすえた後に湿布を貼っているのですが、どうにもスッキリしません。
重い頭を抱えているせいで、思索も鈍りがち。加えて、朝一番で作り置いた緑茶を、1日かけて1リットルばかり飲んだせいか、夜になってから胃がシクシクと痛むのです。
いくら健康に好いとは言え、程々が一番ということを思い知らされました。
こんな時には、ゆったりとリラックス出来る音楽を聴くのがよさそうですね。

体調が欲するままに取り出してきたのは、サティのピアノ作品を集めた1枚。
今回の妙なタイトルは、サティの作品、「(いつも片目を開けて眠る)見事に肥った猿の王様を目覚めさせるためのファンファーレ」にちなんでいます(^^;

ここでご紹介する演奏は、オランダの作曲家/指揮者/ピアニスト、ラインベルト・デ=レーウ(Reinbert de Leeuw/1938-)によるものです。

サティ:ジムノペディ、グノシエンヌ、他(PHILIPS/PHCP10576)

デ=レーウは信念あって、サティの作品では初期のものしか取り上げないということですが、発売されている録音はいずれも、何ものにも代え難い佳演ばかりです。新旧2種の録音が存在しますが、ここでご紹介するのは新しい方、1992年のもの。

たとえば「3つのジムノペディ」には、合計13分が費やされています。そのことからも明らかなように、デ=レーウの演奏はスロー・テンポを極限まで追究したもので、徹頭徹尾、恐ろしく高次の緊張感のもとに調和が保たれています。
しかしながら、決して頑なな演奏ではありません。柔らかく透徹したタッチには水のような包容力があり、聴く者はいつしか瞑想的な空間へと誘われるのです。
そのアンビエンスは、どこか死都のように静謐な美しさに満ちています。

かたや、デ=レーウの演奏にはイノセントな温もりを感じさせる側面もあります。
とりわけ「舞踏への小序曲」、この短い作品が、かつてこれほど純粋な、優しい音楽として響いたことがあるでしょうか。

個性的な解釈故に、サティはこれ一枚で事足りる、とまでは言い切れません。でも、聴いた後に必ず何かが残るという点で、デ=レーウ盤は得難い存在だと思います。聴いていて心安らぐようなサティ像を創造しながら、BGM的な次元に終始しない点は、真に希有なことです。

デ=レーウは前述の通り非常にマルチな活動を行っている音楽家なので、録音で聴かれるピアノ演奏は残念ながら決して多くありません。
彼の解釈でショスタコーヴィチの「24のプレリュードとフーガ」などを聴くことが出来たなら、どんなにか素晴らしいだろう、と常々思っているのですが…。
 
 

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