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Saturday, September 04, 2004

芸術家の肖像

作品はおろか、本人による録音さえ残されているにも関わらず、その肖像となると皆目お目にかからない芸術家は少なくありません。
たとえばクラシック音楽の場合、歴史的録音のオムニバス盤ともなると、トラックリストにクレジットされているいにしえの名演奏家のうち、一体何人の面相を思い浮かべることができることでしょう?

今回は、そういうお話。

1975年に写真が発見されるまで、長らく肖像が不明だったのは『マルドロールの歌』の、ロートレアモン伯爵(1846-1870)。
ダリをはじめ、様々な人々が想像を膨らませ、幾つもの肖像が生まれました。

ブルースの巨人、ロバート・ジョンソン(1911-1938)。
彼を直接知る人は未だに健在だし、ジョンソン自身が存命していても不思議ではありません。
それにも関わらず、20世紀に生まれ、20世紀に死んだ、この偉大な音楽家の肖像も、没後長い間知られないままでした。
写真が発見・公開されるまでの間、贋物の肖像写真が沢山現れ、更に人々の探求心はモンタージュ写真の作成をも試みました。
有名なストライプのスーツ姿でギターを構えた写真が公表されたのは、1989年のこと。
戦前のブルーズマンには、同じように写真が残っていない人、少なくありません。

オランダの画家、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)の肖像は、ほとんど自画像によってのみ知られてきました。彼をとらえた写真と言えば、僅かに4枚程度が確認されているだけ。うち1枚はセーヌ河畔のテラスで、親友ベルナールと談話する後ろ姿、正面から撮影された写真はいずれも幼年期から少年期にかけてのものばかりです。
そんな彼の肖像写真が近年になって発見され、公表されました。
10年ほど前にTom Stanfordという人物が、マサチューセッツの古物商から僅か1ドルで購入したというその写真。自画像等と対比した医学的な鑑定がなされた結果、ゴッホ本人の写真である可能性が高い、と結論づけられたとのことです。
待望久しい(?)『ゴッホの写真』は、こちらです。
http://www.rp-online.de/layout/showbilder/2138-%7B0CAE9C64-36F4-41DA-9EB7-9C4AC1996809%7D.jpg
ご覧になるか否か、あるいは信じるか否かは皆様にお任せ致します。

実は今回のトピック、もともとはごく最近の個人的な発見がきっかけなのです。
現在でも愛奏される、ヴァイオリン小品の名曲『思い出』(スーヴェニール)、これはボヘミア出身の名ヴァイオリニスト/作曲家、フランティシェク・ドルドラ(1868-1944)によるもの。
わたくしはこの作品が好きで、わけてもドルドラ自身が1920年に吹き込んだ録音を愛聴しているのですが、ドルドラの写真となると、これまで全く目にする機会がありませんでした。
先日、ふと思い立ってGoogleのイメージ検索で調べてみたところ…ありました
個人的にはヒゲもじゃで鼻眼鏡の人物を勝手にイメージしていたので、少し意外な心持ちです。

関連記事>>ドルドラの自作自演を聴く

逆に、全く手がかりを掴めないのが、イタリア出身の作曲家/指揮者、リッカルド・ドリゴ(1846-1930)。
古くから様々な形で愛奏されてきた『ドリゴのセレナード』の作曲者で、指揮者としてはチャイコフスキーの『くるみ割り人形』を初演しています。
先述のイメージ検索を用いても、全く打つ手無し。こればかりはお手上げと言った状態です。
どなたか、ご存知ありませんでしょうか…?
 
 

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