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Thursday, September 09, 2004

上海セピアモダン

前回に引き続き、さる8日に到着した中国CDに関連しての記事、第2回目でございます。

本日ご紹介するのは、『上海老百樂門爵士~PBYLMOUNT JAZZ SHANG-HAI 』という2枚組CD。
pbylmount.JPG
演奏しているのは『上海老百樂門元老爵士隊』という団体です。
不正確な記憶が頼みなのですが、戦前戦後に上海のステージで活躍していたミュージシャンが集まって、ここ10年内外に結成されたバンドだったと思います。ライナーに記載されている演奏者のプロフィールから拾ってみると、1920年代前半に生まれた方が実際に在籍しているようなので、恐らくは間違いないでしょう。
NHKBS-1の番組、『上海ウォーカー』(たぶん)で紹介された筈なのですが…。

文革を経て衰退した、古き佳き時代のジャズよもう一度…という志の許、『元老楽士』が集うという経緯、実に素敵ではありませんか! まるで映画のようです。
上述の番組を数年前に観て以来、このバンドのことはずっとわたくしの心に残り続けていました。

実はこのCD、発注の時点では戦前のSP音源か何かの復刻だと思っていたのです。考えていた内容とは違っていたわけですが、結果的には非常に嬉しい巡り合わせになりました。

録音年は不明なのですが、10年以上遡ることは恐らく無いと思われます。クレジットされている発売年は、2002年です。
収録曲は、やはり戦前戦後に人気の高かったものが中心。アーヴィング・バーリンやジェローム・カーン、ジョージ・ガーシュインやグレン・ミラーのナンバーが見受けられます。その一方で陳歌辛の『夜上海』や、黎錦光の『夜来香』のような、中国ならではのレパートリーも収録。
演奏自体は凄く巧いというわけではありません。放たれるグルーヴも、ゆったりまったりとしたもの。

だけど、そこがいいんですね、この場合。

かつての愛奏曲を慈しむような演奏には、往時を知るはずのない者をも誘引する、何とも言えない懐旧的な情緒が漂っています。クリアーな最新録音であるにも拘わらず、目の前に現れるのはセピア色の音場です。

それにしても、"As time goes by"が『似水流年』となる中国語って、本当に素敵。
 
 

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