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Saturday, November 20, 2004

歌のないオペラ・アリア集

最近、クラシックのCDばかりが目立って増えたものですから、書きたいものとまだ書けないものとが錯綜しております(^^;
こう云う時は、暫くそのままにしておくに越したことはありません。

今回は、頭がほぐれるような美しいメロディがぎっしり詰まった1枚をご紹介…。

「オペラ・ロマンティック・メロディ」/アンドレ・コステラネッツ

アンドレ・コステラネッツ(Andre Kostelanetz,1901-1980)はロシア系の指揮者/作曲家。革命後に母国を離れ、長じてはアメリカで自らの楽団を率いて活躍しました。マントヴァーニなどと並ぶ、イージー・リスニングの草分け的存在です。
昭和30年代にはNHK交響楽団へ客演した事があり、その音楽的素養の高さと厳密なリハーサルには、団員も感銘を受けたそうです。

そんなに多くの音源を聴いているとは言えませんが、わたくしはコステラネッツの演奏が好きです。親しみ易くも何処か気品のあるアレンジの力は大きく、繰り返し聴いても飽くことがありません。
上掲のCDは、やはりコステラネッツ自身のアレンジによる、19世紀オペラの名旋律集です。価格も手頃で、コステラネッツの魅力に接するには恰好の1枚だと思います。

オペラ・アリア集と言うと、歌手の好みも人それぞれ、またレーベル毎に擁している歌手の向き不向きもありますから、「完璧な1枚」はなかなか見出し難いのではないでしょうか。インストゥルメンタルによるオペラ・アリア集というコンセプトは、ファースト・チョイスにはなり得なくとも、想像以上に高い充足を与えてくれます。

冒頭から、美しい「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲の名演に引き込まれてしまうのですが、個人的に嬉しいのはプッチーニのアレンジが多く選曲されている事です。
「ジャンニ・スキッキ」の「私のお父さん」や、「ラ・ボエーム」の「ムゼッタのワルツ」、「トスカ」の「歌に生き、恋に生き」、「マダム・バタフライ」の「ある晴れた日に」など、このアルバムの白眉とも言えるでしょう。こうして聴いてみるとプッチーニのオーケストレイションが、如何にヴォーカルを美しく彩る事に長けていたか、目の当たりにする心地です。これで「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」が収録されていれば、本当に完璧だったのですが…それは欲張りすぎですね。
やはり魅力的な旋律が多いビゼーのオペラ「真珠取り」の「耳に残るは君の歌声」は、「真珠取りのタンゴ」の原曲。コステラネッツのアレンジは、よりクラシックに近いスタンスから原曲の魅力を引き出しています。これで「神殿の奥深く」の2重唱もあれば…(略

逐一述べるときりがありませんが、どのトラックを取り上げても魅力的な宝石箱のようなアルバムだと思います。
発売から既に10年近くが経過していますが、未だに現役というのは珍しい事です。
こういう廉価発売盤は、期間限定プレスだったりするのですが…。
そう言えば以前にご紹介したピュイグ・ロジェの「月の光」も、同シリーズの1枚です。
 
 

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