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Tuesday, March 01, 2005

最近の入眠音楽

今日から晴れて3月となりました。その割に今日は随分と肌寒い1日でしたが…。

わたくしは寒気が兆してくると心身共に停滞を迎えてしまいます。1年のうち、9月から2月までの半年間は完全に低迷期と位置付けている次第です。
このウェブログを開始したのが8月の最終週、以後これまでずっと連ねてきた120回のエントリーは、その間のメンタルコンディションを多分に反映していると思います。9月第1回のエントリー冒頭で「夏の終わりは、私にしてみれば1年の終わりを見据えたに等しいようなもの」と書いていますが、半年を経た今読み返しても、その時分の諦観が生々しく蘇るかのようです。

逆に言えば、これから8月までの半年は、わたくしにとって活性期なのです!
春を迎えて「我が世の春」とまでは申しませんが、ギラギラ輝く夏を目がけて、まっしぐらに突き進んでゆきたいと思う(?)、3月第1日なのでした。

身辺では、はやくも沈丁花がほころびかけています。


さて、3月第1回目の当エントリーは「最近の入眠音楽」と題してお送り致します。
不眠を抱える身上で扱うと、微妙に後ろ向きな色が差すような気もしますが、趣向の上では「春眠暁を覚えず」と云うことで…(^^;

実際、不眠を抱えていると、少しでも快適な入眠・誘眠条件を調える行為にも、それなりの抜き差しならぬ重みが伴ってくるものです。


さて、一概に「入眠音楽」と言っても、効果は人それぞれかと思います。
わたくしの場合は、コラールとパイプオルガンはどんなに穏やかな曲想でも「鬼門」になってしまう傾向があるのです。特に前者は集団意志のリアルな発現とでも感じてしまうものか、高い確率で悪い夢を見てしまいます。

以下に挙げるタイトルは、ここ最近では特に効果が高いと感じたものばかりですが、あくまでわたくし個人の性向を反映したチョイスです。どれもが万人受けするとは思われませんので、その点は事前に悪しからずご了承下さいませ。


◆グレツキ:交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」/コルド(cond)/コショウスカ(sop)

◆吉松隆:プレイアデス舞曲集/田部京子(p)

◆吉松隆:プレイアデス舞曲集2/田部京子(p)

◆アルヴォ・ペルト:アリーナ


グレツキの「悲歌のシンフォニー」は、演奏次第で全く聴く気にならない作品なのですが、上に挙げたPHILIPS盤では、コルドによる堅調で情感豊かな指揮と、コショウスカのイノセントな歌声とが相まって、単なるヒーリングミュージックの域内に終始しない、素晴らしい音楽が聴かれます。

吉松隆の「プレイアデス舞曲集」は、70余トラックの優美なピアノ小品集。わたくしの意固地な性向から言えば、装丁に阻害されて、店頭では手に取らなかった可能性が高いCDです。こうまで奏者のポートレイトを頻用しなけらばならないものかしら…。
とは言え、いつ何時でも聴くものを拒まない吉松隆の音楽は素晴らしいと思います。ピアノの澄んだ音色も、曲想にぴったりです。

そしてアルヴォ・ペルトの「アリーナ」、これは現状では最強の入眠BGMです。
ペルト独自の「ティンティナブリ」(鈴の音)様式に基き、極限まで切りつめられた音楽、それは純水や透過光になぞらえるべきなのかも知れません。全トラック合計51分余り、不快な音響は一切無く、ひたすらインストゥルメンタルによる柔らかな音響空間が繰り広げられます。これはもはや「聴く」と言うよりは「感じる」領域であり、平時に再生すると、何事ともつかぬまま時間を過ごす事になるかも…。


そんなこんなで、ひとまず3月の幕開けと致します。

…少々間を空けた所為か、長文をまとめるだけの手際がイマイチ発揮出来ません(^^;
 
 

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Comments

最近は寝る時には音楽をかけずに静かに寝ることが多いのですが、吉松隆のプレイアデス舞曲集はいいですね。吉松隆では山下和仁のソロが聴ける「天馬効果」も好きな協奏曲のひとつです。
昔、伊武雅刀が羊の数を数えるカセットテープを持っていた(たしか後ろのシンセサイザー音は松武秀樹)のですが、どこへしまったのやら。

Posted by: サンタパパ | Wednesday, March 16, 2005 at 08:44 PM

>サンタパパ様

#「天馬効果」

山下和仁がソロを弾いた録音があるんですか!
近在の店舗では今ひとつ種類が少なく、寡聞にして知りませんでした。早速Amazon.comで検索たものの、現在品切れとの事です…(^^;
再発の砌には是非購入したいと思います。

#伊武雅刀が羊の数を数えるカセットテープ

すごい! 感動しました(笑)
あの「イイ声」がシンセサイザーの伴奏付きで「羊が一匹、羊が二匹…」、確かにとても心地よく入眠出来そうです。
世の中には本当に色々な音源が存在するものなんですね。

Posted by: Tando | Wednesday, March 16, 2005 at 10:36 PM

昼間に寝るときには、ショパンのピアノ。特にノクターンが良い。ラジカセでタイマーを1時間設定するが、その半分以下の時間で眠ってしまう。だから未だにノクターンの全曲は聴いたことが無い。

Posted by: たぶれ人 | Thursday, March 17, 2005 at 12:45 AM

>たぶれ人様

ショパンのノクターンが「通し鑑賞」の対象に向かないと云う要素は、しばしば指摘されております。
各個がミクロコスモス的な作品ですから、お好きな作品をお好きな折に鑑賞なさるのが何よりなのではないでしょうか(^-^)

個人的な趣味を申せば、「全曲盤」の体裁で、そうした美質を満たした演奏には未だ巡り会いません。
むしろ「一面一曲入魂」であったSP録音の時代に、恐るべき輝きを宿した名演が多く残されているように思います。
パハマン然り、ローゼンタール、フリードマン然りです。

Posted by: Tando | Thursday, March 17, 2005 at 01:49 AM

Tabula RasaのCDジャケット未だに色々と試みている。あの曲の持つ魅力の一寸した引き立てに成ったらと思い…。前回の方が良いのか?と迷いながらもう一枚、少し色を変えてHPに掲載した。
 話は変わるが、昔良く聴いた”フラワートラベリンバンド”もしCD入手可なら教えてください。

Posted by: たぶれ人 | Wednesday, April 13, 2005 at 01:46 AM

>たぶれ人様

メールにてお返事するつもりが、ずっと欠礼を続けてしまいました。申し訳ありません。

>フラワートラベリンバンド

早速リサーチ致しますね。

Posted by: Tando | Sunday, April 17, 2005 at 05:59 PM

はじめまして。よく眠れるような音楽が紹介されていたので、参加させてもらいました。クラシックは聞かなかったので楽しそう☆今はオルゴールのCDで夜 過ごしてます。

Posted by: サマー | Sunday, November 15, 2009 at 02:15 AM

>サマー様

はじめまして、コメントありがとうございます。このエントリーを掲出してから、もう5年近く経っていることに自分でもビックリです^^;
幸い、入手の可否状況はあまり変わっていないようですね。
グレツキだけは文中の音源が手に入りにくくなっていますので、アントニン・ヴィト指揮のNaxos盤
http://www.amazon.co.jp/dp/B00005F4B5/
でもよろしいかと存じます。安価でとても良い演奏です。グレツキは題材も曲調も悲しい作品なので、普段から聴かれるなら「プレイアデス舞曲集」が一番お楽しみになれるかもしれません。ジャンルを超えて素晴らしい作品ですよ!

Posted by: Tando | Sunday, November 15, 2009 at 08:01 AM

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