« モラヴェッツ/ショパン/ノクターン | Main | ショパン:ピアノ協奏曲(ピアノ六重奏版) »

Wednesday, April 16, 2008

ドゥルヤン、どうにかならないか?

大分昔のエントリーで取り上げた、アルメニアの指揮者オガン・ドゥリャン(Ohan Durian/Ogan Durjan/1922-)。

その後公式サイトが登場したりして、いよいよ芸風の全貌が明らかに…、と思いきや、そうもいかなかった。
本人サイドから、何だか得体の知れないハンドメイドのDVDが少数出回ったりもしたようだ。
ここでかなりの分量を鑑賞出来ます)
しかし、私にとってこういう代物は興ざめも良いところで、全く食指が動かない。何やらスゴイ演奏なのはわかるのだが、こんなへんてこりんな音源供給の手段には当惑してしまう。音質も悪いし、欲求不満の材料以外の何ものでもない。

それはそれとして、私の先述エントリーを立てる形でリンクを張って下さった方もいらっしゃるようです。丁重な御対応に感謝申し上げると共に、長らくの欠礼をお詫び申し上げます。

さて、それから随分歳月を経たことになるが、相変わらずドゥリャンの音源は手に入らない。
ショスタコーヴィチの交響曲第12番と、ムソルグスキーの「はげ山の一夜」が正規CDとして手に入る全てだ。
定期的に"Durjan""Durian""CD"等々絡めて検索しているのだけれど、何一つ出る気配がない。

ところが、そうこうしていると面白いサイトを発見した。
モスクワ交響楽団(ロシアオケは似たような名前のオケが乱立しているので、何処が何処だったのやら同定が難しいが…)の関連サイト(?)に、ドゥリャンが同楽団を指揮したライヴ映像がアップロードされているのだ!

THE MOSCOW SYMPHONY ORCHESTRA

演目は
(1)ベルリオーズの「幻想交響曲」より第5楽章抜粋
(2)ラヴェル「ボレロ」全曲
(3)モーツァルト「レクイエム」より"Cum Sanctis"

これはかなり見応えのあるライヴ映像だ。録音もステレオ収録で、まずまず良好である。
「ようやくマトモな代物が出てきた…」、そんな感慨と共に鑑賞した。

それにしても、この指揮者はやはり、とてつもない実力の持ち主なのではないか?
いずれも齢80に達してからの演奏だが、これはただ事ではない。
芯から重厚な音色と、充満する気迫。異様なまでにおどろおどろしくもある、音楽の運び方…。
一旦これに波長が合ってしまうと、もう虜になってしまいそうである。
3点中で特に「ボレロ」は全曲鑑賞が可能なだけに、印象も一際強い。強烈にドゥリャンの刻印が認められるにもかかわらず、基本は外していない。
そうそう、この人、デゾルミエールやマルティノンにも師事していたんだよなあ。音色は灰色がかっているが、よく聴いていると明晰さや洒脱さにも決して事欠いてはいない。何処か、師匠達の遺風がこめられているように感じられる。このあたり、ソヴィエト-ロシアの指揮者達の系譜とは一線を画しているようにも思われる。
そして怒涛のクライマックスは、正しくドゥリャンの個性そのものだ。


昨年には85歳記念コンサートを催したようで、まだまだやる気と思しきドゥリャンである。
どうにか、マトモな形態での音源頒布は叶わないものだろうか?
昨今、これほど面白い音楽を聴かせてくれる現役指揮者も、そう多くは見当たらない。口コミ次第、売り方次第ではもっと市場に浸透する可能性があると思うのだけれど。
特に、この重低音で鳴らすショスタコーヴィチが聴きたい!
 
まずは名が普及し、購買層の関心が向かなければならないだろう。
こういう強烈な個性と実力を持つ指揮者が、未だ現役であることを少しでも多くの方に知って頂きたい。
 

|

« モラヴェッツ/ショパン/ノクターン | Main | ショパン:ピアノ協奏曲(ピアノ六重奏版) »

Comments

Ohan Duryan (Ogan Durjan' narc)についてのコメント興味深く拝見しました。
Duryan氏は惜しくも2011年1月7日に亡くなっています。
ロシア語ですがアンソロジーがYouTubeにアップされていますが、
どういう人物であったのか画像からもはっきりと伺い知ることができます。
http://www.youtube.com/watch?v=KSH3wDssddE&feature=share&list=LLC1LY8OsI8TLfI-qOY_VnJQ
ブルックナーの9番の演奏も画像付の演奏とは別モノと思える程、深淵な演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=A_12VIS9Lhw&feature=share&list=LLC1LY8OsI8TLfI-qOY_VnJQ

ご参考まで。

Posted by: kristenpart | Wednesday, January 02, 2013 at 07:11 PM

アゼルバイジャンの偉大なるマエストロ・ニヤジは既に故人ですが、同国の大作曲家Hajibeyov(ニヤジの父君?)の歌劇序曲を振る姿がYouTubeにアップされています。スモカーフェイスの渋い顔は何とも印象深いものです。バトンテクニックも秀逸で魅せられるものがあります。
http://youtu.be/zB2vYKQ7tZQ
http://youtu.be/ZzuGkl6z1-Y
若い頃はハンサムな俳優として映画にも出演していたようです。
旧ソ連邦の国々には、グルジアの大指揮者であり作曲家Jansug Kakhidze(Herio bicheboは本人の名唱と共に印象深いものです)http://youtu.be/WQzWMwFV4O0
アルメニア人の両親を持つOgan Durjan、同じくアルメニアの大作曲家Avet Terterianなど、偉大な才能を我々は未だ知らないでいるようです。

Posted by: kristenpart | Wednesday, January 02, 2013 at 08:07 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« モラヴェッツ/ショパン/ノクターン | Main | ショパン:ピアノ協奏曲(ピアノ六重奏版) »